久保治輔教授退官記念研究会及びパーティーのご案内 (平成30年4月16日(月) 研究会プログラム 更新)

この度、久保治輔教授におかれましては平成30年3月末日をもちまして退官されることになりました。
今日に至るまで久保教授は素粒子・宇宙分野で比類なき研究業績を挙げ、かつ、多くの優秀な人材を育成してこられました。つきましては、これまでの久保教授の研究活動を振り返り、新たな研究へ発展させるための研究会を開催致します。研究会の後は、久保教授のこれまでの研究・教育・大学運営の全面にわたるご活動に敬服と感謝の意を表しますと共に、今後のより一層のご健勝ご活躍をお祈り申し上げたく、久保教授を囲んでのパーティーを開催致します。ご多用とは存じますが、多くの同窓生の皆様に御出頂きますよう
御願い申し上げます。

日時:平成30年4月28日(土)

  • 13:30 – 16:40 記念研究会(受付は13:00から)
    場所:金沢大学角間キャンパス自然科学5号館(旧理学部棟) 2階大講義室
    (なお、現在の素粒子・宇宙・理論物理研究室は同じ建物の5階524号室周辺です。)
    終了後、記念パーティー会場までのバスを用意します。

    • 13:30 – 13:40 (10) 末松大二郎(金沢大学)     「はじめに」
    • 13:40 – 14:00 (20) 小林達夫(北海道大学)     「SUSY RG and flavor symmetries」
    • 14:00 – 14:20 (20) 川村嘉春(信州大学)      「超弦理論に救われて」
    • 14:20 – 14:40 (20) 沼波政倫(核融合科学研究所)  「素粒子から核融合へ」
    • 14:40 – 15:00 (20)  休憩
    • 15:00 – 15:20 (20) 江尻信司(新潟大学)       「久保さんとゲージ理論の相転移」
    • 15:20 – 15:40 (20) 梶山裕二(岐阜聖徳学園大学)   「高次元理論とフレーバー対称性」
    • 15:40 – 16:00 (20) 荒木威(工学院大学)       「高エネルギー宇宙ニュートリノから探る新物理」
    • 16:00 – 16:30 (30) 久保治輔(金沢大学)       「最近考えていること」
    • 16:30 – 16:40 (10)       退官記念パーティーへのご案内
  •  バスで移動
  • 18:00 – 20:00 記念パーティー(受付は17:30から)
    場所:ANAクラウンプラザホテル金沢 石川県金沢市昭和町16-3 (金沢駅前)

金沢大学 素粒子・宇宙・理論物理研究室(旧理論物理学研究室) 一同

本会への問い合わせ方法:本サイトの「お問い合わせ」ページ
https://kanazawa-u-physics-dousou.jp/contact
のメールフォームよりお問い合わせください。
担当者へ転送させて頂きます。

鎌田先生 最終講義レポート

1992年3月 修士課程修了,2016年3月 社会人博士コース修了
(株)日立製作所 研究開発グループ 森田 裕

2017年3月14日,鎌田先生の最終講義がありました。「IREBと共に」(IREB: Intense Relativistic Electron Beam,大強度相対論的電子ビーム)と題した最終講義には先生がた,在校生,卒業生ら100人近くが集まり,いつもの笑顔で鎌田先生の講義が始まりました。
「ちゃんと聞いていたか確認しますので,学生さんはあとで当てます。」,「途中から思い出話になっちゃいますすけど。」一気に場が和んで,笑いに包まれます。

まずはパルスパワーの基礎から。そう言えば,研究室に配属になって最初のゼミで分布定数回路とパルス伝搬に関する講義を受けたのでした。今日はその復習です。先生の講義は直感的でわかりやすく,それは昔と変わりません。オーディオにも詳しい鎌田先生の講義は,同軸ケーブルやスピーカーのインピーダンスにまつわる実学にも触れながら進みます。これも昔と同じです。実験では50Ωの同軸ケーブルを1MΩのオシロスコープにつなぐと先輩から怒られたものです。

懐かしい写真が出てきました。先生によると,城内キャンパスの航空写真がなかなか見つからず,この写真は貴重とのこと。今は金沢城公園としてきれいに整備され,理学部のあった場所を知るよすがはありませんが,大手門と黒門のちょうど真ん中あたり,今は新丸広場と呼ばれているところに研究室がありました。
城内キャンパス時代のいわゆる”プレハブ”実験室の写真も出てきました。プレハブは黒門を上がって右手の高台の上にありました。夏の暑さをしのぐために,屋根には手作りの散水装置,室内には気分だけでも涼しくなるように,雪の兼六園の写真が貼ってあったと記憶しています。Google earthで確認すると,新丸広場の西側にプレハブに行くために昇った階段がまだ残っているようです。

いよいよ講義も佳境に入ってきました。城内キャンパスから角間キャンパスに移って,実験装置としてプレハブ時代のPULSERAD 105Aに220Gも加わりました。時間軸に沿って話が進みます。卒業生には思い出深い話ばかりで,専門的な話も先生のわかりやすい説明でよく理解できます。学生は専門的な研究は当然のこと,測定装置の製作や操作を通じて実学を学んだものです。かくいう私は,今でも老眼と戦いながらもハンダ付けをしたり,真空配管の漏れを探したり,学生時代に学んだ実学を存分に活かしています。

あっという間に最後のスライドになりました。PULSERAD 105Aも退役とのこと。「IREBと共に去らむとする時こそ ありがとう さようなら」とは,先生,かっこ良すぎます。最後に,先生が立ち上げた「サイエンスラボ」の紹介がありました。学科をまたぐ横のつながり,先生・先輩・後輩の縦のつながり,素晴らしい組織です。サイエンスラボの活躍も楽しみです。
最後に花束贈呈です。今日は「そんなものいいから,恥ずかしいから。」とおっしゃることなく,今日はしっかり受け取っていただけました。安心しました。鳴りやまない拍手の中,最終講義はお開きとなりました。

退役したPULSERAD 105Aの状況をお伝えします。すでに絶縁油を抜いて,分解されてビーム棟の外に搬出されていました。修理や部品交換の履歴が直接書いてあります,卒業生たちは「これ俺たちが修理したときのものだよ。」「外に出すと意外と小さいなぁ。」等と話しておりました。

実験室の現状はこちらです。この雑然とした感じがたまりません。古いものも大切に使われています。自分が作った装置もどこかにあると思います。

最終講義も終わって,先生も研究室に戻ってこられました。研究室にはお菓子が山積みになっています。卒業生はおなかを空かした学生さんのためにお菓子を差し入れするのが伝統となっていて,今日は当然ながら食べきれないほどのお菓子が並びました。誰かがコーヒーを淹れるのも恒例になっています。今日は卒業生の持参したミルで挽きたてのコーヒーを楽しむことができました。先生も交えて,昔話に花が咲きます。110Aの模型も出てきました。

なんと獲れたてのマグロの差し入れがありました。鎌田先生の「これ,どうすんだ?」の一言で,「今からさばきますよ。」の一言でマグロの解体ショーが始まりました。すぐさま反応し,「醤油とワサビある?」「冷蔵庫には・・・,うーん,無いです。」「じゃ,買って来よう。」と数人が行動を開始しました。このレスポンスの良さとフットワークの軽さ,これも誇るべき伝統です。獲れたてのマグロ,皆さんとおいしくいただきました。
先生との思い出話は尽きませんが,残念ながら今日は火曜日,遠くから来ている卒業生は帰る時間になりました。先生にそれぞれ挨拶をして,ひとまず散開です。6月には鎌田先生を送る会を開催予定ですので,またお会いしましょう。

最後になりましたが,鎌田先生,ありがとうございました,そして長い間お疲れさまでした。今後も定期的に説教を受けにまいりますので,お体をご自愛くださいませ。今後,卒業生が集まる機会を作りますので,しばらくお待ちいただきたく,よろしくお願いいたします。

鎌田啓一先生最終講義開催のご案内

2017年3月5日

2017年3月末日を以てご退職される鎌田啓一先生の最終講義が下記の要領で開催され
ます。
皆様お誘いあわせの上、ご参加ください。

日時:2017年3月14日(火)14時00分~
会場:金沢大学自然科学5号館(旧理学部棟)2階大講義室
題目:「IREBと共に」
備考:不明な点につきましては、本サイトの「お問い合わせ」ページ
https://kanazawa-u-physics-dousou.jp/contact
のメールフォームよりお問い合わせ下さい。担当者へ転送させていただきます。

以上

安藤敏夫先生の最終講義がありました

2016年3月26日
文責:古寺哲幸

2016年3月末をもってご退官される生物物理学研究室の安藤敏夫先生の最終講義「高速AFMが拓いた蛋白質分子の生物物理学」が、2016年3月15日(火)14:10~15:10に自然科学5号館(旧理学部棟)2階大講義室にて開催されました。研究室の学生、物理学コース内外の学生や教職員の方々だけでなく、多くの卒業生や関係者の方々が聴講に訪れていました。

物理学コース長の鎌田先生から安藤先生のご経歴が紹介された後、安藤先生が、大学院時代からアメリカ留学を経て、1986年に金沢大学の城内キャンパスに赴任されてから現在に至るまでの研究活動などについて話されました。はじめに、赴任された当時に、研究助成金の申請をたくさんしたりして研究環境を整えてきたという苦労話や、発明されて間もない原子間力顕微鏡(AFM)を当時(1991年ころ)の院生と1年間で作り上げてしまった話などをされました。そして、安藤先生が苦心の末開発され、蛋白質分子が働いている姿を直接的に観察できる現在では唯一無二の顕微鏡となっている、高速AFMの開発に至った経緯や実際の開発の現場、その応用研究によって解き明かされた蛋白質の働く仕組みを解説されました。また最後に、安藤先生が貫いてこられた、独創(独走)的研究を推進するために重要な要素を、“ある程度”若い人たちへのメッセージとして述べられると共に、これまでお世話になった方々や機関へ感謝の意を述べられていました。

最終講義の最後には、安藤先生の研究室の学生からこれまでの感謝の意を込めた花束の贈呈も行われ、参加した安藤先生の研究室の関係者の方々と一緒に記念撮影が行われました。

最終講義の雰囲気

最終講義の雰囲気

感謝の意を込めた花束贈呈

感謝の意を込めた花束贈呈

最終講義が終わった後の記念撮影

最終講義が終わった後の記念撮影