鎌田啓一先生 退官記念祝賀会レポート

2009年 3月 修士課程修了
三菱電機(株)電力システム製作所 小田原 周平

2017年6月10日,ご賛同いただきましたみなさまのお力により,鎌田啓一先生の退官記念祝賀会が執り行われました。みなさま,ありがとうございました。以下,つたなく恐縮ではありますが,当日の様子を報告させていただきます。

当日の15時過ぎ,会場であるホテル日航金沢にお越しいただいた鎌田先生と喫煙室で一服しているうちに全国より当日ご出席いただいたみなさまがお集まりになられました。総勢約120名と多くのみなさまにお集まりいただき,広い会場もいっぱいになりました(図1)。

図1-1

図1-2

図1:当日開始前の鎌田先生(図1−1)と会場の様子(図1−2)

式次第のご案内の後,万雷の拍手を持って先生を会場にお迎えしました。ご略歴のご紹介の後,祝辞を賜り,鏡割りのお酒を持って乾杯となりました。初めから会場は活気に溢れ,当日初めて顔を合わせる方も多いであろうなか,世代関わらず語らい,楽しまれている様に研究室の空気を感じました(図2)。

図2-1

図2−2

図2−3

図2−4

図2:鏡割りの様子(図2-1)と会場の様子。世代をこえてご歓談を楽しまれていました(図2-2)。開始当初はみなさん席で楽しまれていらっしゃいましたが,すぐに各々自由に動き回り立席の様相を呈してきました(図2-3,4)。

式途中では様々な方々からの祝電及び懐かしいお話,写真を交えたご祝辞を頂戴しました。筆者の生まれ年ごろのこともご紹介いただく一方で,つい昨年のことにも触れていただくと,まさに研究室の歴史をご紹介いただきました(図3)。

図3−1

図3−2

図3:式次第のご祝辞でご紹介いただいた写真の例。研究室に様々な形で保存されていた写真から抜粋したもの(図3-1)から最終講義ごろの写真まで(図3-2)用いつつ,懐かしいお話を頂戴しました。

式も終盤に入ったところで,先生にお花が贈呈されました。プレゼンターは研究室出身者のご子息,ご息女が務めてくださいました。たくさんの大人に囲まれつつも立派に我らが先生にお花を手渡してくれました。受け取る先生もいつにも増していい笑顔でいらっしゃいました(図4)。

図4−1

図4−2

図4:お花の贈呈の様子。プレゼンターのみなさま,ご協力ありがとうございました。

楽しい時間がすぎるのは早いもので,気がつけば時間となってしまいました。先生よりご挨拶を賜りました(図5)。ご挨拶ではみなさまへの御礼とともに“研究室出身のみなさんはマルクスとパルスラインを扱ったことのある世界でも貴重な学生。自信を持って邁進してほしい”と研究室ならではのお言葉を頂戴するとともに,“部屋は開けてあるので説教でよければいつでも聞きに来い”と先生らしいお言葉をいただきました。お言葉に甘えてお伺いし,コーヒーをいただきながらお話を頂戴したいものです。

図5

図5:ご挨拶をいただいた際の様子。筆者の研究室在籍時と変わらぬご様子を見せていただきました。研究室出身のみなさまにとってもお年をめされても変わらぬ先生のご様子であったのではないでしょうか。

全員でとった集合写真を図6に示します。当日の出席者だけで約120名にもなりました。残念ながらご都合のつかなかった方々を合わせるとさらに大所帯となります。

図6

図6:当日出席者による集合写真。約120名による集合写真。ご出席いただいた卒業生は1984年ご卒業の方から2016年卒業の方まで多岐に及んでおりました。卒業生に留まらず,在学中の方,先生とご親交の深い先生方および研究室の学生のためにお力添えをいただいた方々と多くのみなさまにご賛助いただきました。

式の最後,ご出席いただいたみなさまがご退出なさる際,先生はお一人お一人をお見送りなさいました。先生の変わらぬお人柄をお感じになられた方も多かったものと思います。この後も話は尽きず,日付が代わり3次会になるまで楽しい時間が続きました(図7)。

図7−1

図7−2

図7:お見送りの様子(図7−1)と二次会の様子(図7−2)。二次会は会場を変えて行われました。話題は尽きず,楽しい二次会となりました。先生にもこの後,三次会になるまでご一緒いただきました。

ご賛同いただきましたみなさまのご協力をもって素晴らしい祝賀会となりました。運営側の一員として改めて御礼申し上げます。ご協力ありがとうございました。
先生の今後のますますのご健勝,ご発展を祈り,鎌田啓一先生の退官記念祝賀会の報告を締めさせていただきます。

鎌田啓一先生退職記念祝賀会の御案内

2017年4月 吉日

鎌田啓一先生におかれましては、2017年3月末日をもちまして御退職なさいました。つきましては、先生の御勇退を謹んでお祝い申し上げると同時に、今後とも一層の御健勝御活躍をお祈り申し上げたく、下記により激励会を開催いたします。御多用中とは存じますが、多くの同窓生の皆様に御出席頂きます様お願い申し上げます。

発起人代表:曽我 之泰
発起人:玉川 洋一、安藤 利得、曽我 之泰、松村 登、森田 裕、小口 治久、長谷川 大祐、鎌田 正輝、小田原 周平、小川 智秋、高木 大

日 時:平成29年6月10日(土)17時から19時

場 所:ホテル日航金沢 中宴会場 孔雀の間
住所 石川県金沢市本町2-15-1(JR金沢駅兼六園口前)
電話 076-234-1111

参加費:一般10千円、学生5千円 (当日会場にて申し受けます。)

ご出席連絡方法:本サイトの「お問い合わせ」ページ
https://kanazawa-u-physics-dousou.jp/contact
のメールフォームよりお問い合わせ下さい。担当者へ転送させていただきます。

その他:鎌田先生への記念品などを目的として寄付を募っております。3千円/1口から任意の金額でのご賛助をお願いいたします。内容は鎌田先生の希望を優先し発起人で決めさせて頂きます。詳細はご出席連絡方法と併せてご案内いたします。

以上

鎌田先生 最終講義レポート

1992年3月 修士課程修了,2016年3月 社会人博士コース修了
(株)日立製作所 研究開発グループ 森田 裕

2017年3月14日,鎌田先生の最終講義がありました。「IREBと共に」(IREB: Intense Relativistic Electron Beam,大強度相対論的電子ビーム)と題した最終講義には先生がた,在校生,卒業生ら100人近くが集まり,いつもの笑顔で鎌田先生の講義が始まりました。
「ちゃんと聞いていたか確認しますので,学生さんはあとで当てます。」,「途中から思い出話になっちゃいますすけど。」一気に場が和んで,笑いに包まれます。

まずはパルスパワーの基礎から。そう言えば,研究室に配属になって最初のゼミで分布定数回路とパルス伝搬に関する講義を受けたのでした。今日はその復習です。先生の講義は直感的でわかりやすく,それは昔と変わりません。オーディオにも詳しい鎌田先生の講義は,同軸ケーブルやスピーカーのインピーダンスにまつわる実学にも触れながら進みます。これも昔と同じです。実験では50Ωの同軸ケーブルを1MΩのオシロスコープにつなぐと先輩から怒られたものです。

懐かしい写真が出てきました。先生によると,城内キャンパスの航空写真がなかなか見つからず,この写真は貴重とのこと。今は金沢城公園としてきれいに整備され,理学部のあった場所を知るよすがはありませんが,大手門と黒門のちょうど真ん中あたり,今は新丸広場と呼ばれているところに研究室がありました。
城内キャンパス時代のいわゆる”プレハブ”実験室の写真も出てきました。プレハブは黒門を上がって右手の高台の上にありました。夏の暑さをしのぐために,屋根には手作りの散水装置,室内には気分だけでも涼しくなるように,雪の兼六園の写真が貼ってあったと記憶しています。Google earthで確認すると,新丸広場の西側にプレハブに行くために昇った階段がまだ残っているようです。

いよいよ講義も佳境に入ってきました。城内キャンパスから角間キャンパスに移って,実験装置としてプレハブ時代のPULSERAD 105Aに220Gも加わりました。時間軸に沿って話が進みます。卒業生には思い出深い話ばかりで,専門的な話も先生のわかりやすい説明でよく理解できます。学生は専門的な研究は当然のこと,測定装置の製作や操作を通じて実学を学んだものです。かくいう私は,今でも老眼と戦いながらもハンダ付けをしたり,真空配管の漏れを探したり,学生時代に学んだ実学を存分に活かしています。

あっという間に最後のスライドになりました。PULSERAD 105Aも退役とのこと。「IREBと共に去らむとする時こそ ありがとう さようなら」とは,先生,かっこ良すぎます。最後に,先生が立ち上げた「サイエンスラボ」の紹介がありました。学科をまたぐ横のつながり,先生・先輩・後輩の縦のつながり,素晴らしい組織です。サイエンスラボの活躍も楽しみです。
最後に花束贈呈です。今日は「そんなものいいから,恥ずかしいから。」とおっしゃることなく,今日はしっかり受け取っていただけました。安心しました。鳴りやまない拍手の中,最終講義はお開きとなりました。

退役したPULSERAD 105Aの状況をお伝えします。すでに絶縁油を抜いて,分解されてビーム棟の外に搬出されていました。修理や部品交換の履歴が直接書いてあります,卒業生たちは「これ俺たちが修理したときのものだよ。」「外に出すと意外と小さいなぁ。」等と話しておりました。

実験室の現状はこちらです。この雑然とした感じがたまりません。古いものも大切に使われています。自分が作った装置もどこかにあると思います。

最終講義も終わって,先生も研究室に戻ってこられました。研究室にはお菓子が山積みになっています。卒業生はおなかを空かした学生さんのためにお菓子を差し入れするのが伝統となっていて,今日は当然ながら食べきれないほどのお菓子が並びました。誰かがコーヒーを淹れるのも恒例になっています。今日は卒業生の持参したミルで挽きたてのコーヒーを楽しむことができました。先生も交えて,昔話に花が咲きます。110Aの模型も出てきました。

なんと獲れたてのマグロの差し入れがありました。鎌田先生の「これ,どうすんだ?」の一言で,「今からさばきますよ。」の一言でマグロの解体ショーが始まりました。すぐさま反応し,「醤油とワサビある?」「冷蔵庫には・・・,うーん,無いです。」「じゃ,買って来よう。」と数人が行動を開始しました。このレスポンスの良さとフットワークの軽さ,これも誇るべき伝統です。獲れたてのマグロ,皆さんとおいしくいただきました。
先生との思い出話は尽きませんが,残念ながら今日は火曜日,遠くから来ている卒業生は帰る時間になりました。先生にそれぞれ挨拶をして,ひとまず散開です。6月には鎌田先生を送る会を開催予定ですので,またお会いしましょう。

最後になりましたが,鎌田先生,ありがとうございました,そして長い間お疲れさまでした。今後も定期的に説教を受けにまいりますので,お体をご自愛くださいませ。今後,卒業生が集まる機会を作りますので,しばらくお待ちいただきたく,よろしくお願いいたします。

鎌田啓一先生最終講義開催のご案内

2017年3月5日

2017年3月末日を以てご退職される鎌田啓一先生の最終講義が下記の要領で開催され
ます。
皆様お誘いあわせの上、ご参加ください。

日時:2017年3月14日(火)14時00分~
会場:金沢大学自然科学5号館(旧理学部棟)2階大講義室
題目:「IREBと共に」
備考:不明な点につきましては、本サイトの「お問い合わせ」ページ
https://kanazawa-u-physics-dousou.jp/contact
のメールフォームよりお問い合わせ下さい。担当者へ転送させていただきます。

以上